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住宅ローンは住み替え時にどうなる?
住み替えローンや住宅ローン控除について

コラム 2022.06.29

住宅ローンは住み替え時にどうなる?<br>住み替えローンや住宅ローン控除について

家族構成やライフスタイルの変化、急な転勤などで住み替えを検討する機会があります。住み替えるとき、現在住んでいる家に残っている住宅ローンをどうするか悩む人は多いようです。

そんなときに便利なのが、住宅ローンの残債分と新居の購入資金をひとつにまとめて借り入れができる住み替えローンです。

本記事では、住宅ローンと住み替えの関係、住み替えローンについて詳しく解説します。また、住み替えで住宅ローン控除が適用できるのかも併せて確認しておきましょう。

住宅ローンが残っていても住み替えは可能?

住宅ローンの返済中でも、家を売却して住宅ローンを完済できれば住み替えができます。

住宅ローンを完済して、住み替えるパターンは次の3つです。

  • 売却後に住み替える
    現在の家を先に売却してローン完済後、新居を購入

  • 先に新居を購入する
    現在の家を売却するより先に、新居を購入

  • 売却と購入を並行して進める
    現在の家を売却しつつ、不足分は自己資金で返済

ここでは、住み替えのためになぜ住宅ローンの完済が必要なのか、また、自己資金を利用しても住宅ローンが残る場合の住み替え方法について解説します。

抵当権と住宅ローン

住み替えをしたくても、住宅ローンが完済できない状態で、現在の家を売却することは基本的にできません。その理由は、家に抵当権が設定されているからです。

抵当権とは、住宅ローンを組んだ人が返済できなくなった場合、融資をした金融機関がその家を差し押さえる権利のことです。この権利は、住宅ローンを完済しないと消せません。

つまり、住宅ローンの残債を家の売却代金と自己資金で賄うことが難しい場合、別の方法で抵当権を抹消する必要があります。

住み替えローン

住み替えローンとは、現在の家の住宅ローンの残債分と、新居を購入する資金を併せて借り入れができる金融商品です。

家を売却しても住宅ローンは残ってしまうが、新居をなるべく早く購入したい場合に活用できます。

しかし、住み替えローンは通常の住宅ローンよりも金利が高く、審査が厳しいなどの特徴があるため、注意が必要です。詳しくは後ほど紹介します。

【補足】つなぎ融資とは?

住み替え時の資金繰りで、住み替えローンではなくつなぎ融資という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。

しかし、住み替えローンとつなぎ融資はまったく違うものです。

つなぎ融資とは家の引き渡し前、必要な資金を一時的に立て替えるためのローンです。住宅ローンの融資実行まで融資をしてくれます。

通常の住宅ローンや住み替えローンと異なり、毎月の支払いではなく、返済期間が約半年〜1年と決まっているため注意が必要です。

つなぎ融資を利用すれば、現在の家を売却するより早く新居の購入ができます。その分、希望していた物件を、ほかの人に購入される前に取得できる可能性が高くなります。

ただし、金利は高く約2〜4%に設定されています。住宅ローンは約0.5〜1.5%なので、無理なく返済が可能か自己資金をよく確認する必要があります。

なお、住宅ローン融資までの間、この金利分のみを返済します。

住み替えローンとは

住み替えローンを利用すれば、住宅ローンが残っていても住み替えることができます。

住み替えローンの仕組み

住み替えローンは、現在の家に残っている住宅ローンと、新居で組むローンをひとつにまとめられる金融商品です。

たとえば、現在の家の住宅ローンが1,600万円残っている状態で、新居の購入を検討しているとします。

住宅ローン残債の1,600万円分を、家の売却代金や自己資金で賄うことができれば、抵当権を抹消できます。

しかし、現在の家の売却額が1,000万円で、自己資金も不足分に充当できないと、600万円分の住宅ローンが残ってしまいます。

一方、新居の購入費用は2,000万円で、その同額を借り入れることとします。

新居で組むローン2,000万円+残債分600万円=2,600万円

住み替えローンを利用すれば、この2,600万円をひとつのローンとして組むことができます。

住み替えローンのメリット

住み替えローンを利用するメリットは2つあります。

住み替え費用の軽減

住み替えローンは基本的に、現在の家の売却と同時に新居を購入する必要があります。

住み替えローンを利用せず、現在の家を売却した後に新居を購入した場合は、一時的に賃貸住宅へ移動することになります。そのため、引越代や家賃などの費用がかかります。

しかし、住み替えローンでは、家の売却と新居の購入を同時に行います。綿密に計画を立てる必要はありますが、賃貸住宅へ一時的に住む手間や費用が不要なことはメリットといえます。

ひとつのローンに一本化

住み替えローンを利用しない住み替えであれば、現在の住宅ローン残債と新居購入の住宅ローンで、返済が二重になります。

しかし、住み替えローンは借り入れをひとつにできるため、複数の住宅ローンを組むより負担の軽減が期待できます。

また、返済先がひとつだけなので、返済の手間がかかりません。

住み替えローンのデメリット

住み替えローンを利用するデメリットは2つあります。

金利が高い

住み替えローンの金利は約2〜4%と、住宅ローンの約0.5〜1.5%に比べて高いです。

さらに、現在の家の残債もまとめて借り入れる分、返済額が高くなりやすいです。そのため、通常の住宅ローンを組む以上に、慎重に返済計画を立てる必要があります。

住み替えのタイミングが難しい

住み替えローンを利用するときは、現在の家を売却する決済日と新居購入の引渡し日を同日に調整する必要があります。

売却する家の抵当権を抹消する手続きと、新居の抵当権を設定する手続きを同時にします。

売却物件の決済日とタイミングが合わない場合、融資が受けられないおそれもあります。

住み替えローンの審査内容

住み替えローンは無条件で利用できるわけではありません。金融機関は、借入れ希望者がしっかりと返済能力を持っているかを判断します。

一般的に住み替えローンの審査は、通常の住宅ローンよりも厳しい傾向にあります。その理由は、住み替えローンは残債も含めてひとつのローンとして借り入れるため、高額になりやすいからです。

金融機関が審査で確認する項目は、主に3つあります。

借入れ状況

返済履歴のほか、滞納の有無も審査の対象です。返済中の住宅ローンはもちろん、自動車ローンやカードローンなどの利用もチェックします。

未払いの履歴や過去5年以内の滞納が判明すると、審査に通過することは難しいでしょう。

借入れ希望者の勤務先

借入れ希望者が規模の大きい企業に勤めていれば、給与は安定していると判断され、審査が通りやすいです。

一方、ベンチャー企業のような規模や実績がまだ少ない勤め先の場合、今後の業績が不透明なため、審査に通りにくいケースが想定できます。

借入れ希望者本人

借入れ希望者の収入や勤続年数、健康状態も審査対象です。

審査を通過する目安は次のとおりです。

項目 審査通過の目安
収入
  • 返済能力を判断するため、一般的に高収入が通過しやすい
  • 年収500万円以上と明記している金融機関もある
勤続年数
  • 3年以上が目安
  • 勤続年数が長いと安定した収入を得ていると判断される
健康状態
  • 好であることが求められる
  • 万一のために、契約で団体信用生命保険の加入が義務づけられている

 

住み替えでも住宅ローン控除が使える?

住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して家を購入すると、所得税や住民税の優遇措置が受けられる制度です。控除期間は、最大13年間と定められています。

2021年以前は控除率が1%でしたが、2022年の税制改正により控除率は0.7%になりました。

住み替えでも、住宅ローン控除は利用できます。しかし、利用するためには一定の条件を満たす必要があります。

住宅ローン控除を受ける条件

住み替えで住宅ローン控除を利用するためには、次の7つまたは8つの条件を満たす必要があります。

  • 新築または取得して6カ月以内に入居
  • 控除を受ける年の12月31日まで新居に居住
  • 住宅床面積が50㎡以上(年間合計所得が1,000万円以下の場合は40㎡以上)
  • 床面積の50%以上を家として使用
  • 住宅ローンの返済期間10年以上
  • 控除を受ける年の合計所得は2,000万円以下
  • 居住年およびその前後2年間に「長期譲渡所得の課税の特例」などの適用がない
  • 中古住宅の場合、1982年以降に建築された新耐震基準適合住宅であること

自分で判断が難しい場合は、国税庁や税務署の窓口に相談してみましょう。

住宅ローン控除を利用する注意点

住宅ローン控除は、以下の特例制度との併用はできないため注意しましょう。

  • 3,000万円の特別控除
  • 所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
  • 特定の居住用財産の買換え特例

なお、売却損が出たときに利用する「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」との併用は可能です。

住宅ローン控除は仕組みが非常に複雑で、自分が税制上の優遇措置を受けられるか判断することが難しいです。そのため、専門知識がある専門家に相談すると安心です。

まずは、不動産売却の実績が豊富な不動産会社に相談しましょう。売却のことだけでなく住宅ローンについてなど、住み替え全体のサポートをしてもらえます。

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